フルート・コミュニケーション-Vol.73-2002.7/27(Sat.)
(クライス・フルート・ソロイスVol.73)
−読 書−
普通の人にとっては当たり前のことかもしれないのだが、私にとっては特筆すべき事なので書く。批判を浴びても書く。
前々回、このコラムに歩くことが好きと書いたら私をよく知る人達から「ウソだろうーー」と声援を頂いた。相変わらず出かける時は歩き公共の交通機関を利用している。自宅から駅へ着くまでの間にぞうきんのように絞れるほどの汗をかく。その気持ちの良いこと。自然に甘んじる事は基本である。とは言え、駅に着き冷房の効いた車内にはいるとホッとする(矛盾)。
電車に乗れば風景を眺めつつ文庫本を手に取る。私は乱読でどんなジャンルも受け入れる。ノンフィクション、ホラー、推理、パニック、私小説、しかし恋愛ものだけはパス。読んでいて気恥ずかしくなってしまうからだ。私に乙女心はないらしい(当たり前)。
ゆっくり読みたいので、速い快速電車を避け空いた各駅停車に乗ることにしている。なに、到着時間も10分と違わないのだから。座って早速本を開く。そして物語の中へ没頭していく。最近読んだ、南極を漂流する話し、黒四ダム建設の話し、そして昔親しんだ「こころ」に自分の青春時代を重ねて涙する(大袈裟)。
「蜘蛛の糸」は名作だ、「クライスの糸」というタイトルで何か面白いパロディは書けないかと思案していると次の駅に着く。ぶわぁー、と熱風が入り込みせっかく冷えた車内を暖める。特急に抜かれる時には5分は停車しているから、ぶわぁー、ぶわぁー、である。どっと汗をかく。「やはり車は楽だよー、汗もかかないよー」という悪魔のささやきと格闘する日々である(やっぱり)。
M.K.
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