クライス・フルート・ソロイスツ 演奏会後記4
Vol.11〜Vol.16 Vol.17〜Vol.22 Vol.23〜Vol.28 [ Vol.29〜Vol.34 ]
Vol.30:メリー・クリスマス('98.12/18)
Vol.31:フルートのベートーヴェン、クーラウ[3]
Vol.32:ヴィルトゥオーゾ・コンチェルト
Vol.33:フランスのモーツァルト
Vol.34:古典時代の幕開け・2
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-ソロイスツ後記Vol.29-'98.11/20
( プログラム詳細 )
<知られざる名曲>
プログラムは、
というほとんど知られていない作曲家の作品を取り上げました。
次に演奏したレヴィの作品が、一番新しい響きを持っていました。大きな特徴は変拍子です。2/4で始まりすぐ3/4、そして、4/4、2/4、5/4とめまぐるしく変わります。メロディ・ラインは特に変わっているわけではなく、響きも古典的ですが、拍子の彩が楽しい。生演奏での効果が最も発揮される曲でしょう。
後半の2曲、プランツァーとノイマンの作品は古典的な馴染みのある音楽でした。この2人の作曲家のことは詳しく知られていません。当夜一番人気のあったプランツァーの作品は、典型的な古典派様式の3楽章構成となっており、名前(ヨーゼフ)からも古典時代のドイツの作曲家である可能性が高そうです。1楽章がソナタ形式、2楽章が2・3部形式、3楽章がロンド・ポルカ、という構成は、ハイドンやモーツァルトが生きた時代の典型的な様式です。ですから、自然に身体に入り込み、楽しむことが出来ました。
知名度は低くても素敵な作品はまだまだ埋もれているようです。
−−−とにかくフルート愛好家の方には楽しんでいただきたいのです!!・・・
−−−ありがとうございます。本当に素晴らしい曲はまだまだあるのですね!・・・
−−−これからも、知られざる名曲の啓蒙に努めたいと思います・・・
−−−新しい流行も良いですが、古典は心に浸透しますね!・・・
ご意見ありがとうございました。
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-ソロイスツ後記Vol.30-'98.12/18
( プログラム詳細 )
<メリー・クリスマス>
年末のソロイスツ恒例テレマンやエヴァンス、間近に控えたクリスマスの特集を組みました。プログラムは、
テレマンのターフェルムジークは、その名が示すような晩餐のための音楽ではなかったようです。テレマンは商売人の一面を持っており、毎月有料の会報を発行し、その付録として楽譜を出版していました。この会報は当時とても人気があったようです。このターフェルムジークも付録として出版されたのかもしれません。編成は、ファゴット(又はリコーダー)と2本の横笛(フルート)、それに通奏低音ですが、現在ではファゴットの代わりにリコーダーで演奏するのが一般的なようです。
後半のクリスマスに因んだ3曲、ホワイト・クリスマス、ママがサンタにキスをした、きよしこの夜はピアニストの近藤さんの編曲による演奏です。オリジナルのメロディはもちろんそのままですが、ジャズ風あり、中国風あり、なかなか楽しい仕上がりとなりました。そのうち、ソロイスツ監修で出版するかも・・・?
最後に演奏したエヴァンスは、全体にジャズ風の楽しい曲。ソロイスツのテーマとなりつつあります(笑)。フルートとピアノがあれば編成はかなり自由に組むことが出来、楽譜には「1本又は2本又は3本のフルートと、ピアノ又はギターと打楽器のための」と書かれています。アマチュアの皆さんも余裕で演奏でき、楽しめる隠れた秀作です!
当日頂戴したアンケートの一部をご紹介させて頂きます。
−−−熱心にお聴き下さりありがとうございます。アレンジャーもとてもやり甲斐があったようです・・・
−−−これからも、楽しめる曲を発掘してきます!・・・
−−−今度ご自分でも是非演奏なさって下さい!・・・
ご意見ありがとうございました。
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■ ソロイスツ後記Vol.31-'98.1/22 ■
( プログラム詳細 )
<フルートのベートーヴェン、クーラウ[3]>
今回はクーラウの特集、第3回でした。プログラムは、
アンコールは、ピアノの近藤さんの編曲で、
クーラウはとても社交的で多才、ピアノ、フルート、オーボエなどいくつもの楽器をこなし、ドイツ人でありながらデンマークの王様に気に入られ地位を得ました。尊敬していたベートーヴェンからも「デンマークのクーラウ」と認知されていたようです。現在でもデンマークでは国民的作曲家として、国事ではクーラウの作品が演奏されます。
クーラウのフルート作品の作風はとても壮大で、まるで交響曲を思わせますが、なぜフルートを選んだかは謎です。デンマークの宮廷楽団ではフルートやオーボエ首席奏者としての地位にもありましたが、その腕前は地位ほどではなかったようです。つまり、いわゆる名手ではなかった。それなのに宮廷楽士でいられたのは、誰からも好かれる社交性とは無縁ではなかったでしょう。
当夜演奏したグランドソナタと大二重奏曲は特に長大で、大二重奏曲などはいったん吹きはじめたらその楽章が終わるまで楽器を離すことが出来ません。強靱な精神力と集中力が要求されます。汗などで楽器が滑ってずれても直すことが出来ないのです。テクニック的には特別なことはありませんが、極めて安定した奏法が要求されると言う意味において難曲の部類に入るでしょう。
当日頂戴したアンケートの一部をご紹介させて頂きます。
−−−お客さんとのコミュニケーションもとても楽しく大好きです・・・
−−−演奏家の苦労とは裏腹に、クーラウはとても親しみやすいですね!・・・
−−−今日のお客様は、自らもフルートをなさっている方が多かったですね。クーラウにもチャレンジしてみて下さい!!・・・
ご意見ありがとうございました。
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■ ソロイスツ後記Vol.32-'98.2/19 ■
( プログラム詳細 )
<ヴィルトゥオーゾ・コンチェルト>
今回は、2本のフルートのための華麗な曲集です。プログラムは、
アンコールは、ピアノの近藤さんの編曲で、
「ウイリアム・テル」による華麗な二重奏曲は殆ど無名、でも素材が超有名曲なので楽しめます。この曲だけ私が2ndを受け持ちました。そもそもオーボエパートのため、低音のシ(H)が出てくるからです(私はH管を使っていますので)。こういうときに限って1stが技巧的で難しい。いえ、難しいから1stを譲ったのではありませんよ、大保さん!
(コラム参照)
ドップラーの協奏曲は、確かに技巧的でフルートの性能が余すところ無く発揮されていますが、ただそれだけではない、他の大作曲家の作品と肩を並べても良いと感じる名作です。ロマンティックで歌心があり、爽快です。他のドップラーの作品とひと味違う作品に仕上がっています。
当日頂戴したアンケートの一部をご紹介させて頂きます。
−−−ドップラーの協奏曲は本当に大好きです。アンコール、次回は何にしましょうか、、、お楽しみに!・・・
−−−お任せ下さい!(笑)これからも知られざる名曲をお届けいたします・・・
−−−ありがとうございます。また面白い曲を物色してきます!・・・
ご意見ありがとうございました。
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■ ソロイスツ後記Vol.33-'98.3/27 ■
( プログラム詳細 )
<フランスのモーツァルト>
今回は、3本のフルートによるオール・ドヴィエンヌ・プログラム、作品19のトリオから、第1番ト長調、3番ハ長調、5番ト短調、6番イ長調を演奏いたしました。
ドヴィエンヌは、フルート吹きの間では有名な人物ですが、一般的にはそうではありません。資料が以外に乏しく諸説様々です。確かなことは、オーケストラ奏者としてフルート以外にファゴット奏者としても活躍していたこと、パリ音楽院の初代フルート科教授であること、スイス軍の軍楽隊に在籍していたこと、たくさんの作品を書いていたこと、などです。それぞれの年代についても見解が分かれ、私がコラムに書いた年代とは違う研究結果もあるようです。この様なことは往々にしてあり得ることで、我々演奏家を常に悩ましています。
当夜演奏した作品19のトリオについても、オリジナル編成が2Fl+Vlcという他にFl+Vln+Vlc、Ob+Vln+Vlcなど諸説があります。原典が何であったかについては、この場合さほど重要な事柄だとは考えていません。何故なら、作曲家がその楽器について強く思いを寄せて作曲したとは限らないからです。当時の習慣として、オリジナル以外の楽器で演奏されることも前提としてあったこと、また、編成楽器は、近親者の演奏楽器に依存して作曲されていることが殆どで、オリジナルの持つ意味がそれほど強くないと考えるからです。使用する楽器が何かよりも、その楽器で如何に音楽を表現するか、の方がはるかに重要です。音楽は他の芸術と違い、「演奏」という行為のみによって存在することが出来、楽器の如何を問わず演奏されて初めてその作品が実体のある物となるからです。
アンコールは、ピアノの近藤さんの編曲で「春の小川」です。例によって遊び心が盛り込まれていて、それぞれのパートだけを聞くと何のことか分からない変なメロディなのですが、その中には旋律の1つの音が使われていて3人で合奏をするとやっとメロディが浮き出てくる、という仕掛けでメロディ・ラインが作られていました。今回の隠しメロディは、滝廉太郎の「花」でした。皆さんすぐ気が付かれたようです。
当日頂戴したアンケートの一部をご紹介させて頂きます。
−−−ドヴィエンヌをおやりになるとはなかなかの吹き手ですね!・・・
−−−楽しんで頂けて嬉しく思います。今度はご自分でチャレンジして下さい!・・・
−−−休憩時間にお客様とお話しするのも楽しみの1つです。今度ドヴィエンヌでクライスの発表会如何ですか?!・・・
ご意見ありがとうございました。
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■ ソロイスツ後記Vol.34-'98.4/23 ■
( プログラム詳細 )
<古典時代の幕開け・2>
今回は、バロックから前期ロマン派までを古典時代に焦点を当てて演奏いたしました。プログラムは次の通りです。
アンコールは、「胎教に良い曲を」との大保さんの要望に添ってメンデルスゾーンの「春の歌」でした。編曲はもちろん近藤盟子さん、今回の隠しメロディはヴィヴァルディの「春」とキャンディーズの「春一番(♪もうすぐは〜るですねえ)」でした。
上記のプログラムの中で、我々笛吹きにとってフックだけは馴染みが薄いかもしれません。イギリスの作曲家で、器楽や声楽の作曲、演出を含む劇場の仕事などで活躍したエンターテイナーで、祖国イギリスではとても有名人です。辞典にもイギリスの出版社の物には詳しく載っていますが、ほかには載っていないか、載っていても僅かです。当夜演奏した作品133の楽譜には「Trio for 3Fl & Voice Flute」と書かれています。ヴォイスリコーダーというとD管のリコーダーがあり、この楽器のこともヴォイスフルートと呼ぶことがあるのですが、「ヴォイスフルート」というG管の横笛(つまりフルート)が存在したことからリコーダーではない横笛用のトリオだと思われます。
また、今回は新しい楽器が登場しました。「フルートダモーレ」というA管のフルートで、普通のフルートより3度低い音がします。アルトフルートはG管ですが、ダモーレの方が格段に普通のフルートに近い音色がします。単に音域が低いというよりも、音色が微妙に違い合奏の響きが豊かになります。モーツァルトのアリアで活躍して頂きました。
当日頂戴したアンケートの一部をご紹介させて頂きます。
−−−いつも熱心にありがとうございます。次回もまた意外な曲でお楽しみ頂きましょう!・・・
−−−いつもありがとうございます。来月もお楽しみに・・・
ご意見ありがとうございました。
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記録 後記 |
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