クライス・フルート・ソロイスツ 演奏会後記2
Vol.11〜Vol.16 [Vol.17〜Vol.22] Vol.23〜Vol.28 Vol.29〜Vol.34
Vol.18:名曲アラカルト('97.12/26)
Vol.19:日本のメロディ
Vol.20:フルートのベートーヴェン・クーラウ
Vol.21:フルートの名手V・ドップラー兄弟
Vol.22:20世紀の音楽
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-ソロイスツ後記Vol.17-'97.11/28
(プログラム詳細)
<自由にして軽妙、クヴァンツのフルート音楽>
今回はオールクヴァンツのプログラムです。トリオト長調、ハ長調、ハ短調、ソナタニ長調、ト短調を演奏しました。一人の作曲家でプログラムを構成するのは以外と難しいものです。なぜなら、作風が同一(当然だが)なので曲の印象がどれも同じになりやすいからです。ですが、クヴァンツの作品は楽しく自由であきません。J.S.バッハが主に神のために音楽を創作していたのと違い、クヴァンツは主君であるプロイセンのフリードリヒ大王のために書かれた作品がほとんどです。毎日のように開催される宮中演奏会のために、クヴァンツは膨大なフルートの作品を残しました。それをアマチュアのフルート奏者であるフリードリヒ大王が演奏するのです。トリオソナタは2ndフルートをクヴァンツが担当しました。伴奏のチェンバロは、J.S.バッハの次男、カール・フィリップ・エマニエル・バッハが担当しました。当時父親のバッハは無名で、バッハといえばこの次男のことをさしたのです。今考えると、超豪華キャストですね。
大王はアマチュアですから、クヴァンツの苦労が忍ばれます。何しろ大王はプロに比べれば下手な訳ですからあまり難しく作曲できない。でも、単純でつまらない曲は献上できない・・・宮仕えの身ですから。そのおかげで楽しく自由で変化に富んだフルート作品が生まれたのです。
もうひとつ忘れてならないクヴァンツの業績は「フルート奏法試論」という書物を残していることです。簡単に言えばフルート教本なのですが、几帳面な性格らしく事細かに演奏法が記されています。装飾の入れ方、テンポ、リズム、ハーモニーなど現代にあっては当時の演奏様式を伺い知るまことに貴重な文献です。本編はとても勉強になる内容ですが、序論として演奏家としての心構え、教え方、また音楽を習う学習者の心構えが論じられている。これが大王庇護のもと言いたい放題という感じでまことに面白い。曰く「才能がないなら音楽やめろ」「お金をかけてもよい先生に習え」「有名な音楽家は政治力に長けているだけで頭は空っぽ」等々。コラムにもちょっと書きましたのでぜひどうぞ。。
当日頂戴したアンケートの一部をご紹介させて頂きます。
−−−毎回ご来場下さいましてありがとうございます。20数年前とは、素晴らしい再会になりましたね。私もその頃この曲を知り、忘れられない1曲となっています・・・
−−−演奏者からもみなさんの表情がよく分かり、うまくいった時などうれしくなります。その反対に怖いことも・・・
−−−お客様が楽しまれていると、演奏する側もどんどん楽しくのってきます。毎回お越し頂き、大変励みになります。ありがとうございます・・・
ご意見ありがとうございました。
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演奏会記録
コラムVol.17
ソロイスツ ホーム
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-ソロイスツ後記Vol.18-'97.12/26
プログラム詳細
<名曲アラカルト>
今年最後のミニヨン、いつもと違って有名な曲、楽しい曲で締めくくりました。何せ日頃は日本初演?という珍品揃いですので。最初にテレマンの四重奏、続いてそれぞれソロの曲を演奏の後エヴァンスの組曲です。エヴァンスの組曲は、ジャズ風の曲あり、ラテン風の曲もある楽しい名曲です。オリジナル編成が、3本のフルート、ピアノ、打楽器というきわめて珍しい曲です。
この曲がプログラムに入っているということに気づいた打楽器奏者の伊勢君、「飛び入りということでいいですから僕も演奏にまぜてください」との申し出。何回か演奏していて、この曲はお手の物なのです。
(ふむふむ、これはギャラがいらないからラッキー)
と、思ったのが間違いのもと。熟年美女殺しと異名をとる(推測)伊勢君に、今日の演奏会の印象を全て持って行かれたのでした。お客様のため息とともに・・・・・ふん。
当日頂戴したアンケートの一部をご紹介させて頂きます。
−−−はいはい、かわいい後輩の飛び入りくんに今日は花を持たせましょう・・・
−−−フルートをやっているとのこと、どんどんチャレンジして下さい!!・・・
−−−こちらこそありがとうございます。皆様に喜ばれる演奏会が出来て幸せです・・・
ご意見ありがとうございました。
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-ソロイスツ後記Vol.19-'98.1/23
プログラム詳細
<日本のメロディ>
前半にいわゆる日本の現代作品、後半は皆様良くご存じの名曲が並びました。詳しくはプログラムの詳細↑をご覧下さい。
圧倒的に多かった意見は「知っている曲が多くて楽しい」でした。これには納得、そうでしょう、知らない曲より知っている曲の方が安心感がありますものね。たまにはこんなプログラムも良いと思いました。どの曲にも日本の音階が入っていて、演奏していても自然に身体に入ってくる。つくづく日本人なのだなぁ、と思います。
当日頂戴したアンケートの一部をご紹介させて頂きます。
−−−やはり日本の曲は押さえておかないと、ですね!・・・
−−−そもそも”笛”は日本人にとっても馴染みのあるもの。フルートはオールマイティな楽器ですね・・・
−−−ベネット(イギリスのフルート奏者)登場ですか!ありがとうございます。これからも喜んでいただけるよう頑張ります!・・・
ご意見ありがとうございました。
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-ソロイスツ後記Vol.20-'98.2/20
プログラム詳細
<フルートのベートーヴェン・クーラウ>
このサロンコンサートのシリーズ第1回目がクーラウでした。クーラウの特集はそれ以来ですので1年9ヶ月ぶりになります。クーラウは最初ピアニストとして活躍しました。ピアノを習う方が、比較的初歩のうちに必ず習う「クーラウのソナチネ」のクーラウです。彼はドイツからデンマークに移り、後にはフルート奏者としても活躍、その作風はとてもヴィルトゥオーゾです。フルートのための作品は多くあり、現在ではフルーティストにとってとても重要な作曲家となっています。演奏していて、楽しく、またとても雄大な感じのする、まさにフルートのベートーヴェンです。
当日頂戴したアンケートの一部をご紹介させて頂きます。
−−−音楽は勿論、演劇やスポーツも生が一番ですね・・・
−−−クーラウの良さが伝わって嬉しく思います・・・
−−−ありがとうございます。フルートを是非再開して下さい!・・・
ご意見ありがとうございました。
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-ソロイスツ後記Vol.21-'98.3/27
プログラム詳細
<フルートの名手V・ドップラー兄弟>
ドップラー兄弟はハンガリー人(現在のオーストリア)と一般的に思われていますが、実はショパンと同じポーランド生まれです。後にハンガリーに移住し、ペスト歌劇場の首席フルート奏者、指揮者、作曲家として活躍した兄弟です。兄フランツは、その後ウィーン歌劇場管弦楽団の首席フルート奏者・バレエ副指揮者となり、ウィーン音楽院のフルート科教授を務めています。リストとも親交を持ち、ハンガリー狂詩曲のオーケストラへの編曲も行っています。
二人の兄弟は、作曲家・オーボエ奏者であった父から音楽の手ほどきを受け、若いうちから二人で演奏旅行をしていたようです。本日のプログラムも、そんな演奏旅行の折りに演奏されるために作曲されたのでしょう。どの曲も、フルートのテクニックが遺憾無く発揮されています。
因みに父・ヨーゼフは、シュトゥットガルト歌劇場の指揮者、シュトゥットガルト宮廷楽長などを務めています。また、カールの息子・アール・パードは作曲家・ピアニストとして活躍、私も勉強したシュトゥットガルト音楽大学で教鞭を執っています。
当日頂戴したアンケートの一部をご紹介させて頂きます。
−−−ありがとうございます。吹く方も必死です!・・・
−−−ありがとうございます。そう言って下さると企画のした甲斐があります。これからもどんな曲が登場するかお楽しみに!・・・
−−−あれ、リゴレット、ソロもあるんですか・・・知りませんでした(汗)貴重な情報をありがとうございます(汗)・・・
ご意見ありがとうございました。
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-ソロイスツ後記Vol.22-'98.4/10(Fri.)
プログラム詳細
<20世紀の音楽>
今日は久々に誰も知らない(であろう)曲ばかりの特集です。解説者も調べるのが大変だったようですが、新しい曲との出会いを求めているお客様には大変喜ばれました。やり甲斐があろうというものです。このシリーズでは、滅多に演奏されない隠れた秀作に光を当てるのも趣旨としていますので。
2曲目のゲンツマーのトリオ、最後に演奏したシュレの「5つの羊飼いの音楽」に人気が集中しました。ゲンツマーのトリオは、変拍子(曲の途中で拍子が変わる)が沢山あって変化に富んだ曲。聴いている者を飽きさせない楽しめる曲です。シュレの「5つの羊飼いの音楽」のフィナーレでは、賛美歌の旋律が用いられていたり(後で知りました)と、プログラムの中で一番親しみやすかったようです。またこの曲では3rdフルートにアルトフルートが用いられていました。
また、ゲンツマーとシュレは1909年生まれですが、1歳年上にはメシアンがいます。メシアンと同世代の作曲家達、と考えれば何となくイメージがわきますね。アンコールはご愛嬌です。会場にいた小学生に喜ばれました。
当日頂戴したアンケートの一部をご紹介させて頂きます。
−−−我々の心強い味方ですね!まだまだ知られない曲が沢山あります、乞うご期待!!・・・
−−−ジャズ一度やったことがあります。アレンジが大変でしたが・・・でも、また演奏したいと思います・・・
−−−ピアノをやっているそうですね。いつかフルートとアンサンブルなど如何ですか?・・・
ご意見ありがとうございました。
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記録 後記 |
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